Linux(リナックス)とは?

LinuxとはOS(オペレーティングシステム)の一種で、パソコンを動かすのに必要な基本ソフトウェアの1つです。
Windows OSやmacOSとは違いオープンソース化されているため、誰でもLinuxをベースとして改良を進めることができるようになっています。

その流れは今でも続き、「Linux」という名前のまま多くの派生したLinuxの種類が有志によって作成されています。
中でもLinuxはサーバー用OSとして高いシェア率を誇っています。

皆さんが良く知る、OSとしてはWindows OSやmacOSがあります。
エンドユーザーの扱うOSシェアを見てみると、Windows OSが86%、macOSが12%ほど。
Linuxは全体の2%程度となります。

しかし、Webサーバー用のOSを見てみるとWindows系のサーバ OSは全体の30%ほど、macOSに至っては0.1%程度。
Linuxは全体の30%ほどと、Windows系のサーバーとほぼ同じ程度シェアがあります。
Linuxがサーバー運用に高い比率で利用されていることがわかるかと思います。

LinuxというOSはたくさんの派生した種類があり、Linuxと名前がついてはいますが、すべてが同じ仕組みではありません。
例えば、Windows OSのようにマウスで感覚的に操作するGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を採用したものから、コマンド入力のみで操作をするCUI(キャラクターユーザーインターフェース)までさまざまです。

今回紹介するLinuxは、すべてのLinuxをひとまとめにしたものではありません。
タイプによって細かい部分で違いがあるため、活用方法によって各Linuxの詳細をチェックすることをおすすめします。

Linux(リナックス)には種類がある

「Linux」と呼ばれていますが、厳密には2つの部分に分かれています。
区別のために以下のような呼び方がされています。

  • Linuxカーネル
  • Linuxディストリビューション

上記をあわせて多くの場合はLinuxと呼ばれています。
それぞれの機能は異なるため、Linuxを正しく把握する場合はしっかりと違いを認識しておく必要があります。

Linuxカーネル

LinuxカーネルはすべてのLinuxのベースともいえる存在です。
通常、OSはパソコンを動かすのに必要な中心部としての役割を持っています。
LinuxカーネルはOSのさらなる中心部にあり、Linuxを動かすうえで必要不可欠な存在です。

パソコンを動かすのに「Linux OS」が必要だとしたら、その「Linux OS」をそのものを動かすのにLinuxカーネルが必要です。
そんなOSの中核ともいえる重要な存在ですが、Linuxカーネル単体でパソコンを動かすことはできません。

そのため、「Linuxカーネル」に「Linuxディストリビューション」という機能を追加して、はじめてOSとしてパソコンを動かせる仕組みが出来上がるのです。

Linuxディストリビューション

Linuxカーネルをベースにして、パソコンを動かせるOSにまでレベルアップさせたものを「Linuxディストリビューション」と呼びます。
一般的な利用者でも、Linuxをある程度の状態として利用できます。

単に「Linux」と呼んだ場合はこのLinuxディストリビューションを指すことも多くあります。
つまり、多くの種類があるLinuxディストリビューションの総称がLinuxであるといえます。

ベースとなっているLinuxカーネルはオープンソースで配布されており、誰でも触れる状態で提供されています。
そのため、Linuxカーネルを元にして、さまざまな人が「Linuxディストリビューション」をカスタマイズしているのです。

現在ではたくさんの開発者がLinuxディストリビューションを作成しており、配布されたLinux(1) から更に開発されたLinux(2)Linux(3)… と多くの派生先が存在しています。

Linuxディストリビューションは種類もさまざまで、それぞれ得意な事や出来ることが異なる点に注意が必要です。
Linuxを使うときの重要なポイントとして、用途に合わせた適切なLinux選びが第一だといえます。

Linux(リナックス)の特長

Linuxは、Windows OSやmacOSにはない以下のような特長を持っています。

  • オープンソースである
  • 多くのLinuxを無料で使える
  • 多くのLinux用ソフトウェアも無料
  • 低スペックPCでも動かせる

Windows OSやmacOSとの違いも説明しつつ、一つずつ紹介します。

オープンソースである

オープンソースとは、ソフトウェアがソースコードを公開した状態で配布されることを意味します。
ソースコードは、プログラミング言語で書かれたソフトウェアの中身のようなものですので、一定の技術者なら中身を理解することが可能です。
原則として自由な利用が認められており、商用、非商用を問わずに自由に改変したり、再配布したりすることもできます。

つまり、Linuxはベースが無料でありながら、だれでも自由にカスタマイズができるという点が大きなメリットです。
オープンソースとして多くのユーザーがLinuxをベースにソフトウェアを開発しているため、欲しい機能に対応したソフトも多く提供されています。

カスタマイズ次第ではさまざまに応用、対応可能なことから、Linuxは柔軟に対応できるOSだといえます。
Windows OSやmacOSは勝手な改造が認められていませんので、Linuxのような柔軟性を持ち合わせていません。

多くのLinuxが無料で使える

Linuxは原則として、無料で利用できます。
Windows OSをインストールするにはもちろん購入しなければなりません。
macOSを使う場合もApple製のパソコンを購入する必要があります。

Linuxは、無料かつオープンソースであることが魅力となり、多くの技術者が関心を寄せています。
Linuxに多くの種類が生まれたのも、たくさんの人が無料で活用できたことが背景にあるといえます。

また、開発のベースとなるLinuxカーネルだけではなく、OSとして動くLinuxディストリビューションも多くのケースで無料配布されていることが特長です。
一般公開されているデータを元に、自分なりのLinuxディストリビューションを作ることもできます。

サーバー構築やCUI(キャラクタユーザインターフェース)といった、Webエンジニア向けの技術を勉強する場を無料で利用できることがLinuxの強みです。

Linux用ソフトウェアも無料のものが多い

無料で配布されてきた歴史を持つLinuxでは、数多くのソフトウェアがユーザーにより開発されています。 さらに、開発されたソフトウェアの多くは無料で提供されていることが多いです。

Windows OSやmacOSで使われるソフトウェアの代用となるものや、逆にLinuxでしか使えないようなものまで多種多様のソフトウェアが存在しています。 OS自体が無料であることも含め、コストパフォーマンスが高いのもLinuxの持つ魅力の1つです。

低スペックPCでも動かせる

Windows OSに比べ、Linuxは比較的低スペックでも動作させることができます。
Linux自体が軽量で動くことや、Windows OSに比べると初期にインストールされているソフトが少ないといったことが要因です。

また、Linuxディストリビューションの中には、Linuxを低スペックパソコンで動作できるようにカスタマイズされている「軽量Linuxディストリビューション」と呼ばれるタイプもあります。
文字入力でパソコンを操作するCUIが採用されたLinuxであれば、さらに軽い動作で操作することも可能です。

このように低スペックの味方とも言えるLinuxは、古いパソコンや安価なパソコンを利用したい場合などにも、強い味方になってくれることでしょう。

Linux(リナックス)のサポート体制

Windows OSやmacOSにはサポートが充実しており、OSについてわからないことは窓口に問い合わせれば答えてもらうことができます。
また、OSに不具合があればすぐにアップデートで修正されることがほとんどです。

Linuxは不具合があった場合の保証や、Windows OSやmacOSのような問い合わせ先やインフォメーションセンターがありません。
開発者によっては質疑応答に答えてくれるものの、迅速なサポートを期待するのは難しいでしょう 。

Linuxを使っているうえでわからないことがあれば、自分で解決することがベースになります。コミュニティ内での質問やインターネット検索などを利用しましょう。

サポート付き商用Linuxもある

一方で、商用Linuxディストリビューションも存在しています。
利用料金が必要になる代わりに、Windows OSやmacOSのようなサポートを期待することが可能です。

Linuxサーバーなどの導入を考えている場合は、業務の内容や、使う人や企業よってサポートが必要になるケースもあります。
無料であることがLinuxのメリットではあるのですが、安定したサーバー運用などを考えている場合は有料Linux の導入も候補になると考えられます。

Linux(リナックス)で出来る事や活用例

Linuxはあまり一般的に利用されるものではありません。ユーザーの主な利用割合をみると、シェアのほとんどをWindows OSとmacOSのパソコン用OS が占めています。
Linuxはサーバー用OSやIoTの組み込みOSに使われているなど、一般的なユーザーからは見えない部分ではとても注目されています。

Linuxがどのように利用されているか、その一例をご紹介します。

サーバー構築

現在、Linuxの活用でもっとも活躍をしているが、サーバー用OSとしての運用です。
レンタルサーバーやVPSでも初期OSとして選ばれることが増えてきています。

今後、Webエンジニアを目指す方や、Webサービスを作りたい方にとって、Linuxは避けて通れない道ともいえるでしょう。

新しいシステムの開発

Linuxカーネルをベースに、Linuxディストリビューションなどさまざまなツールが開発されています。
しかし、Linuxカーネルをベースに開発されたのは「Linux」と名前のつくサービスだけではありません。

代表的な例としては、Googleが開発して世界的に利用されているスマートフォンOS「Android」 です。
スマートフォンOSの中ではトップシェア を誇り、普及数という面を見るともっとも成功しているLinux OSの1つです。

他にも、同じくGoogleが開発したChrome OSなど、Linuxで培われた技術が新しいシステム開発に受け継がれるケースも多くなっています。

IoT

IoT(Internet of Things)は「モノのインターネット」といわれ、名前が示すとおり、掃除機や冷蔵庫、エアコンといったモノをインターネットに接続することを指します。

身近な例では、「スマートフォンを通して、帰宅途中に家の中のエアコンをつける」ということが可能です。
IoTを導入した機器なら「暑い夏の日、帰宅直前に冷房を効かせておきたい」といったシーンでも、それを叶えることができます。

インターネットを通じてモノを制御するIoTには、今後も大きな期待がかけられています。
「インターネットを通してモノを制御できるデバイス」にはOSが搭載されていなければなりません。

「モノ」に組み込まれているOSを「組み込みOS」と呼び、IoTの普及にあわせて今後も大きな需要があると見込まれています。
そんな中、Linuxはカスタマイズ性が広いことからさまざまなIoTデバイスの「組み込みOS」に流用できるとされているのです。
今後も「組み込みOS」の普及ににあわせて、Linuxは採用されていく可能性が高いといえるでしょう。

まとめ

Linuxはオープンソースで多くの人が開発・無料で提供している点が大きなメリットとなります。
Linuxにはさまざまな顔があり、すべてのLinuxを把握するというよりは、自分が必要である、実現したい機能を持っているLinuxを把握し、活用することが重要となります。

Linuxはその優れた拡張性や応用性の高さから、現在では技術的な場面において多く活用され始めています。
Webエンジニアなど、技術的な勉強を始めようと考えている場合は、Linuxへの理解も深めておくことをおすすめします。

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